動物の性質に由来するもの

続いて、動物の栄養素として、どのような栄養素をミドリムシが持っているのかを具体的にみていきましょう。動物性の栄養素としても大きく分けて2分類の栄養素があります。

1つめは、アミノ酸類で、18種類のアミノ酸類を持っています。具体的には、バリンやアラニン、アルギニンやアスパラギン酸、プロリンやスレオニン、シスチンといったものになります。アミノ酸は、人間の肌や筋肉、内臓を作っている大変重要な栄養素です。人体を作っているといっても過言ではありません。特に、体内で合成できないため必ず食事などを通して摂取する必要のある必須アミノ酸9種類をミドリムシが持つ栄養素はすべて網羅しているのです。

続いて2つめは、不飽和脂肪酸類で、11種類の不飽和脂肪酸類を持っています。具体的には、DHAやEPAといったなじみのあるものから、コマーシャルなどでもおなじみのオレイン酸やリノール酸、エイコサジエン酸やリノレン酸、さらにはドコサペンタエン酸といったものが挙げられます。不飽和脂肪酸はそれぞれ違う働きをしますが、エネルギー源や身体の構成成分になるほか、血中コレステロールの調整など、やはり人間の健康には欠かせない栄養素です。

植物の性質に由来するもの

ミドリムシが、動物と植物の両方の栄養素を兼ね備えていることから、完全栄養素、または、人間の栄養不足や栄養バランスの乱れを解決する一助となる「未来の食材」として注目を集めていることはご承知の通りです。

それでは、具体的にミドリムシにはどのような栄養素があるのかをみていきましょう。まずは、植物の栄養素として、どのような栄養素をミドリムシは持つのでしょうか。大きく分けて、2分類あります。1つめは、ビタミン類で、13種類のビタミン類を持っています。具体的には、α-カロテンやビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンEなど。ビタミンは人間が生きていくのに必要な代謝を助け、健康な身体を維持する役割を担っています。普通にビタミン類が豊富な緑黄色野菜と比較しても、1つの食材で得られるビタミンとしては、かなり豊富な種類のビタミンを得ることができることになります。

続いて2つ目は、ミネラル類で、9種類のミネラル類を持っています。具体的には、マンガンや亜鉛、カルシウムやリン、マグネシウムなどです。ミネラルも人間の身体のバランスを保つ働きに関係しており、代謝を助ける働きをしています。

ビタミン類もミネラル類も1日に必要な摂取量は微量なのですが、不足すると深刻な欠乏症をひきおこします。そのような意味でも、ミドリムシだけで必要な種類の必要な摂取量が網羅できてしまうというのは、栄養価という意味でも魅力的です。

ミドリムシの栄養価について

ミドリムシという名前から、ついつい虫の一種かと勘違いされることも多いかもしれませんが、ミドリムシは虫ではありません。5億年以上前に誕生したといわれている、動物と植物の両方の性質を兼ね備えた微生物です。学術名をユーグレナといい、その昔オランダで科学者によって発見された際に、ミドリムシの形態からラテン語で名付けられたといわれています。学術名からもわかるとおり、緑色でアーモンドのような形をしていますが、微生物だけに体長0.05mmと顕微鏡がなければその姿を肉眼でとらえることはできません。

上述の通り、ミドリムシは、植物と同様、光合成によって成長することができますし、動物のように、細胞を変形させて自ら移動することもできる、植物と動物の性質を兼ね備えた生物学上でも大変珍しい生物といえます。

ここ最近、ミドリムシを大量に培養することに成功し、そのミドリムシを使った青汁をユーグレナ社という会社が製品化しました。この製品は、ミドリムシのある特徴が人間の身体にとって非常に有益であることから製品化されたといえます。そのミドリムシの特徴は、上述のミドリムシの性質から導き出されるものでもありますが、ミドリムシの栄養価が非常に高くすぐれているということです。驚くことに、ミドリムシは59種類の栄養素を持っているのです。つまり、人間はミドリムシさえ食べていれば、理論上は生きていけることになります。これが、ミドリムシが「完全栄養素」と呼ばれる所以です。

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